旭川出身者の活躍
◎原田和典(音楽ジャーナリスト)
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19歳という若さでジャズ雑誌の編集に携わってから、ちょうど30年。スペースシャワーブックスから刊行された著書『コテコテ・サウンド・マシーン』はアマゾン(通販サイト)予約チャートのワールド・ミュージック部門で1位を記録。発売後は主に首都圏で好調なセールスを続け、今後は出身地である北海道で本の存在と音楽の素晴らしさを広めていけたらと希望している。また、7月には世界一の権威を持つアメリカのジャズ雑誌「ダウンビート」(1934年創刊)の「国際批評家投票」メンバーに選出された。
ジャズ好きの両親(父親はプロのドラム奏者だった)、クラシック・ギター教師の叔母、演歌好きの祖母、プロレス・ファンの祖父、ロックや落語好きの叔父の影響で、幼い頃から音楽を含むエンターテインメントに関心を持つ。家にあるドラムやギターがおもちゃ代わり。初めて意識した音楽は、3歳で接したソニー・ロリンズの札幌公演、及び誕生日にプレゼントされたハービー・ハンコックの『ヘッド・ハンターズ』。絵と作文が学校の先生に誉められる生徒だったが、1980年代後半に高野斗志美先生から文章の手ほどきを受けた。
高校卒業後に上京し、「ジャズ批評」誌の編集部で働く。この時代に編集・執筆・デザイン・撮影・通訳のスキルを身に着け、2000年から2005年までは編集長を務めた。その間の1995年には『コテコテ・デラックス』(のちに『元祖コテコテ・デラックス』として再発)を出版。また1998年から2003年にかけてミュージック・バードでラジオ番組「ザ・ソウル・ソサエティ」の構成、パーソナリティを務めた。
2005年に独立、フリーランスの音楽評論家として活動を開始。近年は「ミュージック・マガジン」誌でJポップ/歌謡曲のアルバム評も手がける。特にももいろクローバーZへの数度にわたる取材記事は、同グループを音楽面から掘り下げたものとして高い評価を集める。ニューヨークを始めとする海外にも年に数度赴いて多くの気鋭ミュージシャンを取材、紹介している。
熱狂的な映画ファンであり映画雑誌にも寄稿、さらに猫が登場するレコード・ジャケットを集めた本『猫ジャケ』、『猫ジャケ2』では全作品のコメント執筆を担当した。 2018年から「DJコテコテ」としてDJ活動も開始、さらに、来たる2020年に向けて、活動30年+ソロデビュー15年+生誕50年を兼ねた祭典を構想中。音楽執筆者協会“ミュージック・ペンクラブ・ジャパン”委員。
長いキャリアを持ち、数千枚のCDライナーノーツ(解説文)を執筆してきたにもかかわらず周りからの大御所的な位置づけに甘えることなく、常に“次の一手”に希望を賭け、「今日が最高、明日はもっと楽しみ」という気概で生きる。そのルーツは、故郷・旭川における日々で培われた。
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▲ チンドン屋「春月」のメンバーと、旭川の「まちなかぶんか小屋」で(真ん中のピンク人物が原田父)
▲伝説のラッパー、ノトーリアス・B.I.G.の肖像画の前で
『コテコテ・サウンド・マシーン』紹介サイト
https://books.spaceshower.jp/books/isbn-909087362
※写真はすべて ©Office Manteca
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